2012.9.27
【岐阜県】──飛騨の道 ⑤
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飛水峡(ひすいきょう)(Map)
下呂温泉「噴泉池」の河原を流れる益田川の名称が変わり→飛騨川(→下流では木曽川)沿いに「中山七里」とされる渓谷があります。
奇岩や怪石が数多くあるとの期待感も、何気なく通り過ぎてしまったので「飛水峡」まで足を延ばしました。
「日本最古の石博物館」の看板を見かけ、立ち寄ったものの休館日……
この一帯に広がる飛騨山脈は、日本で最も古いとされる岩石で構成されています。
中でも飛騨川の礫岩(れきがん:岩片が泥・砂などと固結した岩石)に含まれる岩片の生成は約20億年前との推定から、日本最古の岩石とされています。
それが町おこしになるかは疑問ですが、日本一は町の自慢です。
そんな「七宗町:ひちそうちょう」は、道路脇にも「七宗=ひちそう」と正しい読み方をアピールしています。
司馬さんは「関西圏のなまり」としますが、何と言われようが「七=ひち」としてもらわねば「町の書類は発行できかねます」くらいの主張に感じます。
日本語表現の歴史変遷・多様さ・いい加減さと出会うことは、初めての土地での楽しみでもありますが、「読んでくれない固有名詞」を持つ自治体は各地に多くあります。
本来の表現にこだわるのは当然でも、周知の広報費もバカにならない気がします……
四つの滝(Map)
飛騨川沿いの金山から郡上へ向かう道の脇に、「四つの滝」というかわいらしい名のスポットがあります。
観光客を呼べる場所ではないにしても、右の「白滝」との対面では、小さいながらもその静寂感に「これ、これっ!」と心の中で歓声を上げてしまいます。
この一帯は国の特別天然記念物とされる、オオサンショウウオ(地元ではハザコの名)の生息地でもあります。河川改修の手が入ってないということでしょう。
彼らの容姿では、万が一大雨などで滝から落ちてしまうと戻れないように思えますが、回り道があったりするのだろうか?
デートスポット的ですが帰る際も駐車場は+1台程度なので、比較的手軽に「マイナスイオン&フィトンチッド」を独り占め! できる場所かも知れません。
戸隠神社(Map)
ここは伝説(古事記)の、天照大神(あまてらすおおみかみ)が隠れた天岩戸(あまのいわと:宮崎県高千穂の天岩戸神社とされる)を開いた際に、飛び散った岩戸のかけらを祭る郡上市の戸隠神社です。
高千穂の神社の説明には、天岩戸が飛んでいったのは長野県の戸隠神社とありました。
ですがこの岩を目にした際、なるほど岩戸は飛び散ったのだからこの地にあってもおかしくないわけで、布教に伝説を利用するには絶好の造形ですから、地域を挙げて盛り立ててきた経緯が感じられます。
そんな様子は鳥居脇の大杉にもうかがえます。地域の人たちの力によって、岐阜県天然記念物とされるまで見守られてきたのでしょう。
いわゆる「日本はじまり物語:伝説」に対しては、懐疑的以上の否定的な見解を持っていましたが、近ごろでは、全国に広がる「国民意識の根っこ」につながる様を感じ取れるようになった気がします(年齢のせいでしょうね)。
民俗学的な視点で宗教観を観察することは「日本人」を理解するには大切なことです。
これまでの「切り捨てるような」姿勢ではなく、「すくい上げるような」視点で、伝説と接していこうと思い始めています……
大滝鍾乳洞(Map)
付近の山には石灰岩が多く見られるため「○○鍾乳洞はこちら→」の看板を多く見かけます。
地名にも「大洞:おおぼら」など、洞のつく地名を目にすることからも、その多さが想像されます。
ここを選んだのは、このケーブルカーに乗りたかったためです(1〜2分程度ですが)。
「東海地区最大級!」の宣伝文句でも「こんなもん?」の印象は、これまで素晴らしい「秋芳洞:山口県」「龍泉洞:岩手県」等を見ているので、仕方ないところか。
日本列島が形作られる過程で重要視される中央構造線(日本沈没などで登場する大断層)を境に、異なる石灰岩層が鍾乳洞を作る様子を見ると(四国と本州は違う)、日本列島がまさに「パッチワーク」のような「寄せ集め」の岩盤で成立している様が感じられます。
そんな寄せ集めの地盤の上に、単一民族(とされる)が暮らすことができるのは、辺境の地+先人のおかげなのでしょう。
国営木曽三川公園(Map)
右は初日、岐阜羽島から高速道路に乗ってすぐ目に入った「○○大仏のような宗教施設?」的な巨大構造物で、近づくとタワーらしく、これは是非と帰りに寄りました。
ここは「国営木曽三川公園」で、愛知、岐阜、三重(も?)3県にまたがる日本一広い国営公園とのこと。
「木曽川・長良川・揖斐川の木曽三川が有する広大なオープンスペースを活用し…」とはすなわち、洪水対策を施した河川敷を有効活用しましょうと、国がお金を出してくれた施設になります。
タワーの名称は「ツインアーチ138(いちさんはち:1995年完成)」で、高さ138メートルの展望タワーです。
あっさり誘いに乗せられ、下のような田園風景を見られる展望塔はなかなか無いと思うも、このタワー建設の意義が理解できません。
河川敷側の景色には分かる面もあるので、どうせなら木曽三川(木曽川、長良川、揖斐川)の合流地帯に作ればと思うも、その付近には「水と緑の館・展望タワー(高さ65m)」があるそうです。
未見ですが、そちらの場所にこそ巨大タワー建設の意義があるように思えます。
「作るモノ無いから、大きいの作っちゃえ!」に、まんまと引っ掛かった気がして、ちょっとガッカリです。制服のお姉さんたちも、平日でヒマそうにしていました……
先日の東京タワーの展示で目にした「全日本タワー協議会:国内20のタワーで運営される協議会」にここも加盟しているので、「タワーをひとつ制覇した」くらいに数えておけば、そのうちスタンプがたまる(?)かも知れません……
ちなみに「東京スカイツリー」が加盟していないのは「ツリーはNG」だったとか?
それではちょっと了見が狭い気もしますが、ローカルなタワーが片寄せる集まりなので、加盟後いきなり「グローバル化」を迫られても困りもの、という気がしました……
ここから岐阜羽島駅はほど近く、今回の旅行も終了となります。
今回の旅行で印象に残ったのは、食べ物のおいしさです!
山のものにあまり関心が向がず期待薄でしたが、一帯はおばちゃんたちに大人気の「メジャー観光地」ですから、手を抜けないのだと思います(弁当までちゃんとしていた)。
雪深い冬の間に根気が養われるのか、性分として「手を抜くということができない人々ではないか?」と感じます。
そんな人たちの持てなしに感激し、しかと気持ちを受け止めたことを、感謝の言葉として表すべきと思います。
とても「おいしい時間」を、ありがとうございました!
追記
AKB48もよく知りませんが、こちらではもっと知らないSKE48がテレビによく登場します。
なるほど「ローカルなアイドル」をでっち上げようという魂胆だったのね、と初めて知りました……
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